第144回    2010/04/04  
                                           かわいい愛犬も眺めに来たの
       
第144回   霊 山  2010/4/4<br>
朝7時30分にJR大阪駅発。大阪駅から京都ー草津ー柘植と、大きく奈良を迂回するようにしてJR草津線柘植駅着が9時30分頃。駅前で地元のメンバーと合流し、この日の参加者18名がそろった。空を見上げれば晴天。とは言っても4月の日差しはまだまだ柔らかく、風もここち良く冷たいハイキング日和。みんなで柔軟体操をして、いざ出発!

霊山の登山道は東海道自然歩道に指定され、山頂には無線関係の施設もあるため、自動車で山頂まで行けるよう道が整えられている。急な坂もあるけれど、段差のほとんどない山道を、時間をかけてゆっくりの登山。普段まったく運動をしない私も無理なく山頂へたどり着くことができた。

山頂は街角の小さな公園ほどの広さ。中央に祠があり仏像が安置されているのはめずらしい。縁(ゆかり)の説明書きもあったが、地誌に知識のない私はずいぶんと古いものであるらしいということより他は頭に入らない。山頂は穏やかで、本当に公園のような親しみを感じます。この標高766mの高さからは、山腹の北西部一体が、ちょうど目の前に地図を広げたように見渡すことができる。

緑の広がりの中を左上から右下へ斜めに道路が走り、左下にはゴルフ場、中央右には小さな街といえるほどの家のあつまりが、また右手遠くに高速道路とそこを走る車のきらめきが見えます。ここから手をひろげてふわりと景色の中へ飛び込みたくなるような、気持ちの良いながめです。

山頂から西へ下る道は、登りと違って本当の登山道。なんとか人がすれ違えるほどの土道に岩がごつごつと露出し、段差の大きな下りが続く。数日前の雨が溜まって、足首まで沈むほどのぬかるみになっているところもある。下りは半分走るようにして一気に山腹の霊山寺まで駆け下りた。大阪ではほぼ満開という桜も、まだまだ風の冷たい霊山寺一帯では、つぼみの先にすこし花びらが見えて三分咲きというところ。「一週間先なら見頃なんだけどねえ」と地元の人は言う。

山を下りて一安心と思いきや、霊山寺から柘植駅までけっこうな距離がある。途中に「芭蕉生誕の地」など芭蕉ゆかりの見所もあり、また地元の手話サークルの方に「休んでいきなさい」とお誘いもいただいたのだが、帰りの電車が2時間かかることを考えるとゆっくりすることもできず、駅へと急いだ。

帰りの車中も、ろうの方々は元気。地図を広げて楽しそうに話し込んでいる。聴者のメンバーはというと、みな車中で舟をこぐ。私もあたたかい車中でうとうとしながら、夕方6時頃、無事大阪駅にたどり着いた。ろうの方々はどうやらこの後飲みに行ったらしいが、これにお付き合いできる聴者と言えば…。                               米田好宏
                        三角点のある山頂から伊賀上野市街などが眺められる景色を後にして記念写真
皆で向こうは青山、あっちは何何山と言い合いながな360度の展望を楽しんでいる  発堀調査で寺院跡と確認の山頂部     
     
       
       
霊山